覚書

 

atelier VITIS にて開催するはずだったデュオ・リサイタルの予定日から、早ひと月。

コロナは一向に収まる気配なく。

すっきりしない天気も続いています。

 

 

昨年から今年にかけて、そういえばあまり宣伝の必要がなかった為にここでは書かなかった、仲間との親密なコンサートのことをふたつ、簡単に。

(プログラム曲など詳細については、Concert Activities  に記載)

 

 

ひとつは昨年10月、福井県鯖江市にておこなわれた、ヴァイオリン奏者・舘野ヤンネ氏による『ça va?(元気?)』と題されたミニコンサート。

 

フランス音楽をたっぷりお聴き頂く会でした。

 

ここで弾いたサン=サーンスの『死の舞踏』が、今となってはあらためて、何とも名状しがたいものとして迫ってきます。

 

狂った調弦、悪魔の楽器。

悪趣味スレスレ、醒めた狂気、毒あるユーモア。

 

 

そしてもうひとつは今年2月、京都・伏見と神戸にて、ヴィオラ奏者・中田美穂さんとの初共演となったコンサート。

 

表面的な煌びやかさを追うのではなく、奥底から立ちあらわれる物語を紡ぐかのようなシューマン 。優しく温かく奏でられるシューベルト。

 

その他諸々、天真爛漫な彼女とお喋りしてとっ散らかりつつ、ヴィオラならではの世界に分け入ろうとしました。

 

奥深い魅力を感じていました。

 

コンサート終了後、2人とはそれぞれにねぎらい合い、一歩踏み込んだ再共演の算段をしはじめていました。

握手すらしにくくなった今は、計画も白紙。

半年・一年前がもはや、遠い昔にさえ感じます。

 

音楽業界も試行錯誤が続いています。